新シリーズ:
「International Boarding School」で学ぶ
■■トライリンガルな生徒たち■■
明徳義塾にはトライリンガルな生徒たちが学んでいます。
今回はそのような3 つの言語を操る生徒たちを紹介したいと思います。
第2言語としての英語・中国語・日本語教育
さて、我が校の英語・中国語コースは、日本語を母語とす
る生徒を対象とし、高度な英語、そして中国語を第2言語と
して確実に習得させることを目的としてスタートさせたコースです。
そのため、両コースとも姉妹校への1 年間留学や、授業にネイティヴ教員による「ダイレクト・メソッド」を採用するなど、
日本語と英語、日本語と中国語のバイリンガルを育てる事をコ
ースの特色として位置づけてきました。
また、日本語コースでは日本語を母語としない留学生に対し第2言語としての日本語を教育して来ました。
当初、日本語コースに在籍する生徒は韓国、中国、モンゴルなど限られた国からの留学生で占められ、また英語・中国語コースは全員日本人の学生で構成されていました。
すなわち、日本語・中国語・韓国語・モンゴル語などを母
語としたモノリンガルな状態の生徒に対し高度な英語・中国語・日本語を第2 言語として教育すると言ったスタンスで取り組んできたと言えるでしょう。
第3言語としての日本語・英語教育
さて、我が校の言語教育に関する取組が国内外に知られるに従い、当初は想定していなかった多様な言語背景を持つ生徒達が明徳義塾の門をたたくようになりました。そしてその様な生徒の中からトライリンガルな生徒が誕生することとなります。
インドネシア語・英語・日本語のトライリンガル誕生
明徳義塾ではここ4年間で4名のインドネシア語・英語・日本語のトライリンガルが誕生しています。その内の3 名はイン
ドネシア語が母語で、1名は日本語が母語の生徒です。イン
ドネシア語が母語の生徒は母国ではインター校に在籍するか英語の特別指導を受けており我が校に入学した段階では既に母語としてのインドネシア語と高度な英語力を保持していました。
そのため入学後は日本語コースに在籍し日本語の獲得に努め
るとともに英語の力を更に確実なものとする為に、各種英語検
定試験に向けた指導を受けています。
その結果、母語のインドネシア語以外の言語、英語・日本語で読み書きが出来、更に自ら学ぶことが出来るレベルまでの言語力を身に付けています。
また、日本語を母語とする生徒は中学を卒業するまで現地の日本人学校に在籍していた為、生活言語及び学習言語は学年相応の日本語力を備えており、また母親がインドネシア語
を母語し、家庭内ではインドネシア語と日本語を使用する言語環境に育った為、我が校に入学した段階では既に日本語とインドネシア語の2言語を保持していました。
そのため、入学後は英語コースに在籍し高度な英語の獲得に努めるとともに、母語としての日本語の力を更に確実なものとする為に、1年間の海外留学の期間を除き、全ての教科を
日本語で指導を受けています。
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韓国語・英語・日本語のトライリンガル誕生
さて、韓国からの留学生の中から、英語検定1 級、日本語検定1級と言う素晴らしい成績を残し、母語としての韓国語と合わせ3カ国語を高度なレベルで獲得した生徒も誕生しています。
この生徒の場合は韓国の現地校に在籍中、独学で日本語を学んでおり、本人の人一倍の努力は必要とするものの、なんとか授業について行けるだけの日本語の基礎は身に付いていました。また英語は勿論、他の教科の力も優れていたため、基礎からの日本語指導を行う日本語コースではなく、日本語で授業を行う英語コースに在籍し、明徳義塾入学まではほぼモノリンガルな状態から3年間で、韓国語・日本語・英語のトライリンガルにまで到達したケースです。
トライリンガルが誕生する背景
インドネシア語、英語、日本語のトライリンガルの誕生とほぼ時期を同じくし、タイ語、中国語、韓国語、ベトナム語、フィリピン語、それと英語、日本語のトライリンガルが誕生する事となります。
さて、トライリンガルが明徳義塾で誕生する背景を以下のように整理してみました。
1、入学時点でバイリンガルの要素が高い。
(1) 家庭内言語は英語ではないがインター校、若しくは現地校で学習言語を英語で獲得している。
(2) 国際家庭の子女などで家庭内言語が複数言語の環境で育った背景を持つ。
2、入学時点ではモノリンガルであるが言語習得能力が高く入学後にトライリンガルとなる。
(1) 日本語の獲得と英語又は中国語の獲得を目指し英語・
中国語コースに在籍、日本語・英語・中国語、其々の言語によるダイレクト・メソッドの教育を受ける。
また、1年間留学を通じて英語・中国語における学習言語及び生活言語を獲得する。
母語教育の重要性を再認識
さて、トライリンガルな生徒達の誕生には落とし穴がある事も事実です。
通常バイリンガル、トライリンガルになるためには基礎となる言語、母語の確立と成長が不可欠であると考えられています。
我が校では現在日本語、英語、中国語の教育を実践していますが、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語などを母語とする生徒に対する母語教育は行っていません。
幸いにもそのような言語を母語とする生徒は高校から入学してくるケースが大多数の為、中学までの間に確立された母語を用いて必要であれば自ら学ぶ力は備えています。
但し、読書に親しむなどの努力をおろそかにしていると、母語の力も徐々に弱まることは明らかです。
「書く力」を見守る
3 つの言語で其々に「聞く」「話す」「読む」「書く」を同じレベルで行うだけでなく、其々の言語の文化的背景までを理解する事は殆ど稀と言えるかもしれません。
高校卒業レベルの「書く力」をどの言語で獲得して明徳義
塾を卒業するのか。トライリンガルな生徒が今後ますます増えて行くことが想定される我が校に取り、多言語を操る生徒達の「書く力」を見守って行く事が、そして育んで行くことが不可欠であることは言うまでもありません。
さて、次回は「書く力」を育む為に本年度よりスタートさせた「エッセー・ライティング(5パラグラフ・エッセー)」の指導についてご紹介したいと思います。 |